財団法人震災復興支援放射能安全研究所

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私達について

ごあいさつ

 「東日本大震災」において、
 被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 平成23年3月11日14時46分。
 自分の身にまさかあんなことが降りかかるとは、あの時誰が予想できたでしょう。『いつもより大きな揺れだな』程度から、身の危険を感じるまでどれくらいの時間を要したのか。動くはずのない棚がまるで生き物のように目の前に迫り、様々な物が落ちて来る恐怖に耐えながら、頭が真っ白だったことを覚えています。幸いにも全ての施設内に負傷者はひとりもおらず、建物にも倒壊するほどの損傷はみられませんでした。報道でこの震災被害を目にした時、自分達の置かれた状況に安堵すると同時に病院や介護施設として今できることは何かと考え、福島第一原子力発電所周辺の施設や病院におられた方々を最大で188名救済し、その後のケアをさせていただきました。極度の人手不足が続くなか、この状況を知った多くのボランティアの方々にお力添えいただいたことは決して忘れられません。
 平成23年9月には放射能内部被ばく検査機(ホールボディカウンター)を設置し、被災者の皆さまの内部被ばく検査を実施することで、放射能に対する不安を軽減できればと努めてまいりました。新たに昨年12月からは、これまで実施できなかった乳幼児の検査を行う機器(ベビースキャン:世界初)を開発・導入し、小さなお子様の未来を守る取り組みを始めています。また、県民の不安の多くを占めるであろう甲状腺がんについては、甲状腺疾患に関して国内一と言われる伊藤病院様で研修をさせていただき、平成24年11月から、福島県民や近県にお住まいの方々の甲状腺検査を始めました。
 当院では、これらすべての検査を無料で実施しております。なかには、財源の不安から有料化を唱える方もおりましたが、この原発事故は国策によるものであり、県民には何の非もありません。その県民の皆さまから検査費用をいただくことなど考えられないというのが当院の判断です。しかしながら、信念だけで無料化がすすめられるはずもなく、この取り組みを支えて下さっているのは、150件にも上る多くの方々からの寄付に他なりません。その温かいお気持ちに、この場を借りてあらためて感謝申しあげます。
 本来であればこれらは行政にゆだねるべき検査なのでしょうが、一刻を争う状況の中、民間だからこそすぐに動くことができるのではと、今日まで一心不乱に取り組んでまいりました。簡単に『もう大丈夫』『日常生活に支障のないレベル』などと言われても、その漠然とした説明で不安が払拭されるわけではありません。きちんと検査をし、データという目に見える形にして示すことが安心や安全につながると私たちは考えています。今なお国からの支援はいただけない状況ですが、これまでの活動をいつか認めてくださる日がくると信じ、これからも県民が求める検査を続けてまいります。そのひとつとして、学校健診(保育園、小学校など)におけるホールボディカウンターや甲状腺検査の導入について、今後積極的に働きかけていく予定でおります。
 あの震災からおよそ3年が経過した今、被災地に住む私たちでさえ、少しずつ記憶が薄れてきていることは否めません。しかし現実は、未だに故郷に戻れない方々、戻って来ても様々な不安を抱きながら生活している方々が多くおられます。私たちはそういった県民の皆さまと向き合い、安心して生活できる故郷を取り戻すべく、歩みを止めず前に進んでいきたいと思います。

平成26年3月
公益財団法人 震災復興支援放射能対策研究所 理事長 佐川文彦